溶接とは

溶接を知る

溶接写真1 金属材料を加熱し、溶かして接合する技術のこと。
さらに分類すると、融接・圧接・ろう接に分けられる。
造船や自動車、各種機器の製造業をはじめ、ビルや橋、ダムなどの建設業など、携わる分野は非常に幅広い。
溶接作業は機械化が進む反面、人にしかできない細かな作業も多く、溶接技術者(溶接工)の活躍の場は多い。

溶接技術は、青銅器時代(紀元前3500年頃~紀元前1500年前後まで)のレリーフに見られ、日本では弥生時代の銅鐸にも溶接の跡が発見されるなど、古い歴史を持っている。現在の建設業や自動車産業、宇宙工学や造船などの先端技術だけでなく、長い歴史の中で、生活を支える“基本的な古くて新しい技術”といえる。

堺の溶接の歴史

溶接写真2

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戦国時代より火縄銃の生産が盛んであったことから、金属加工について豊かな経験と高度な技術を受け継いできた堺の鉄砲鍛冶。
鉄の筒を作る技術を用いて、故障の多い明治時代の輸入自転車の修理や部品製造にあたったことが、堺の自転車産業の始まりと言われる。
自転車の中でも、特に金属加工・溶接などの工程があり、堅牢であることが要求されるフレーム(車体)、リムなどの部品づくりにおいて技術が応用され、堺の自転車生産量を増やす原動力になったとも言われている。
このような背景から堺における溶接業が発展し、現在までその技術が受け継がれている。
大阪府堺市堺区・西区、高石市、泉大津市にまたがる堺泉北臨海工業地帯は、大阪府の製造品出荷額のおよそ14%を占めており、石油・化学・鉄鋼・金属などの工場、発電所、ガス製造所などが立地。
この工業地帯を支えているひとつが、堺の溶接技術と言える。

参考サイト
<堺観光ガイド・wikipedia>(アクセス日:2015年4月22日)

溶接工になる

溶接写真5 公共職業訓練校で溶接の技能を身につけ、溶接技術検定試験を受けて就職するという方法のほかに、溶接の研修所がある
企業に就職し、実習後、溶接技術検定試験を受けるという方法もある。
職業訓練校には、中学・高校の新卒者と、再教育希望者が
在籍。
溶接のうち、ガス溶接については危険性のある可燃性のガスを用いるため、各都道府県の労働基準局長が指定した機関が行なう『ガス溶接技能講習』を修了しなければならない。
また、溶接によって製作した製品は検査を行ない、溶接部の内部に欠陥がないかを調べ、溶接部の性能を確認して品質の確保を行なう。
近年は品質確保のため、『溶接管理技術者』『溶接技能者』の資格を求められることが多くなっており、試験に合格することが望ましい。